サンネット スタッフのあれこれ

2013年3月25日

一枚の伝票

Filed under: つぶやき — SANNETSTAFF @ 9:57 PM

 「お預かりします。」お得意先の本屋さんからのお買い物宅配、暗い裏口であて先が良く見えない。着払いの代金引換・・・なんだろう。住所が小さな字で綺麗に書き込まれた一枚の伝票。住所が○田○野までは見えた。

「あれ病院だ」・・・カーナビの示したところは大きな病院だった。どれどれ眼鏡を付けて伝票を確認すると小さな字で病院の名前と4階40X室とあった。

「なんだ病院か、だから着払いで400円の本の配達か」「でも誰かに買ってもらうとか、売店でかえなかったのかな」といろいろと思い浮かぶ。

診察時間が過ぎた病院の受付に用件を伝えると「どうぞエレベーターで4階まで、あとはナースセンターで聞いて下さい」と。あちこち見回しながらエレベーターの乗り口を見つけ4階へ、そして指示通りに行くと、すぐにどうぞと病棟へ通された。

どこの部屋のドアも開いていて、静かだった。かすかに話し声が聞こえたが緊張しながら部屋を探すとすぐに40X室が見つかった。

「お買い物宅配です。注文の本届けに伺いました。」

二人部屋の窓際に50歳代の男性がベットに毛布をかぶり横になっていた、わたしたちの声を聞くと毛布をすばやくのけて、顔をこちらに向けた。ゆっくり起き上がり、そして嬉しそうに「どうも」と言って、手元の財布から700円を渡してくださった。

本を渡す時、そばへ行くとなぜお買い物宅配で本を取り寄せたかわかった。

片足の膝から下が、毛布の様子から無いことが見て取れた。

「ご利用ありがとうございます。またぜひよろしくお願いします。」

「どうも」と小さな笑顔で返事を返してくださった。隣で寝ている他の患者さんに気を使い静かに病室をあとにした。後ろから紙を破る音がした。すぐに包みを開けて楽しみに待っていた本を出したのだろう。

400円の商品を着払いで…そんな疑問を抱いたことを恥ずかしく思った。

当時者メンバーと二人三脚で配達するお買い物宅配。出口でスリッパを靴箱に戻す時、「お役に立てたな」とメンバーに声をかけた。「うん」。

外は暗い雲、雪が舞いまだ春は先のように思えたが、こんな大切な仕事があることでほっと心が温まった。

数日後、今度は市の東側にある総合病院の8階に700円の本の着払い代金引換の配達があった。もう無用な疑問は無かった。わたしたちのお買い物宅配が日々その意味を実現して行っている。一儲けでなく、人もうけ。人に出会い、人をつなぐ商いに一歩つづ近づいていっている。買う困難があるからわたしたちの仕事がある。(aoi)

2013年3月20日

偏見への挑戦・・・コミュニティービジネス!

Filed under: つぶやき — SANNETSTAFF @ 12:42 AM

あるバスの風景

広田和子さんの勉強会があった。その後、宅配チームのミーティングを開いた。内側でまとまるのではなく外へ・・広田さんのメッセージ、それをどう実行していくか議論を重ねた。障害者への違った目があるのは世の常・・・それを動かすためにわたしたちから出て行く・・それがここでのコミュニティービジネスの狙い・・・そして夢は広がり、メンバーの目には真剣さが戻った。

今度はロシアの友人から日本の話が届きました。

また長いですが、分け合いたいと思います。(aoi)

・・・・・・・・・・

10歳の息子がある病気を持っており、車いす生活で、さらに投薬の副作用もあり一見ダルマのような体型。
… 知能レベルは年齢平均のため、尚更何かと辛い思いをしてきている

本日、通院日でバスに乗ったとき、いつも通り車いすの席を運転手が声かけして空けてくれたんだが、どうやらそれで立たされた人がムカついたらしく、ひどい言葉の暴力を喰らった。

「ぶくぶく醜い…」
「何で税金泥棒のために立たされなきゃならないの?」
「補助金で贅沢してるくせに…」
「役に立たないのになんで生かしておくかなあ?…」

それもこちらに言ってくるのではなく、雑談のように数人でこそこそ。
それがまだ小さい子連れの母親のグループだった。

息子が気付いて「お母さん降りようか?」と言ってくれたんだが、実は耳が聞こえにくいため、声が大きく発音が不明瞭な息子に今度は普通の声で「きも!」と言われたよ。
あまりのことに切れて「何か息子の件でご迷惑でも?」と言ったら、笑いながら「何か?だってwwうけるwww」と嘲笑された。

さらに「うちは娘だから、あんなのに目付けられたくない」「アタマがないからレ●プされても泣き寝入りだもんね~」とも言われた
さすがにもう降りようとしたら、運転手さんがバス停に止まって「えー、奥さん、ここで降りてください」と言われる始末。

『あーもーいいや、苦情だけ入れて二度とこの路線使うもんか』と思いながら車いすを外そうとしたら「あ、お母さんじゃなくて」と私を見て運転手さんが続けた。
「後ろの奥さん方、あなた方が乗ってること自体が他のお客さんに迷惑ですので、こちらで降りてください」

私ポカーン、息子もポカーン、指された子連れママたちもポカーン

そしたら後部から「さっさと降りろ!うざいんだよ!」「食べこぼしは片付けて行きなさいよ!」「ほらさっさと行きなさい!」との声が聞こえてきた。
さらに降りるときに運転手さんに「クレーム入れてやる!おぼえとけ!」と言ったら「はいどうぞ。乗車賃いりませんからさっさと降りてください」と言われてた。
その人たちが降りてからお礼を言ったら「迷惑行為排除は私たちの仕事ですから気にしないでください」と言われてしまい、もう私涙目。
冷たい視線ばかりと思ってたのに、世の中捨てたもんじゃないと思った。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 

2013年3月5日

浅めし食堂ランチ!

Filed under: つぶやき — SANNETSTAFF @ 11:01 PM

お洒落とんかつランチ600円なり!

ストンキ見学に行き、浅めし食堂にも顔を出してランチを楽しみました。お客さんとして今日はスタッフのみなさんと交流してきました。とってもおしゃれな器でランチがでてきました。おしゃれなだけじゃなくて、とっても美味しいかったです。600円でこんなプチ贅沢・・・・、皆さんもどうぞ。ストンキ住人の皆さんとも出会えます。

ケア付き高齢者住宅の1階に浅めし食堂が併設されたのはそんな隠れた目的もあったのです。おしゃれな食堂にして、観光客や若い人がやって来る。そこでなんとなく入居者の皆さんとプチ交流現象が発生・・・うまいこと思いついたな!これプチ参加形なりゆき福祉(aoi)

2013年3月4日

チーム作り!

Filed under: つぶやき — SANNETSTAFF @ 10:33 PM

サンネットの看板

ちょっと長い文章になってしまいました。広島の友人から届いた文章です。これを転載したのは今の試みを伝えるためです。仕事はわたしたち障害者が世界とつながりを切り開く一つの道具です。それぞれの力を活かすチーム作り、それはそれぞれの弱さを知り、得意なことを知り、絶妙な組み合わせをここかしこに作り、その小さなパーツが組み合わさって、チームとなり互いに暮らしを豊かにしていくことです。それを日々、ここかしこで試みています。

それが弱さを絆にです!

 

いろいろ考えているうちに前回からあっという間に時間が過ぎてしまいました。今大切にしていることを代わりにこの文章は伝えてくれると思いました。(aoi)

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結婚して三年目にやっとできた長女は知的障害児で、努力やがんばることができません。
二十七になりますが、知能でいうと七歳くらいです。日常生活にはなんの問題もありませんが、自分の名前を漢字で書いたり、足し算、引き算をしたりなどはできません。
しかし、この子は、自分より立場の弱い人、怪我をしている人を見れば、駆け寄って『大丈夫?』と手を貸すような子どもで、教えられることがたくさんありました。

小学校四年生までは運動会の徒競走が五十メートル、五年生と六年生は百メートルでした。長女は小学校五年生まで、徒競走はずっとビリでした。
染色体の異状により、脳細胞や体の筋肉が普通の人の三分の一くらいしか発達しないため、ものをもったり、走ったり、歩いたりなど、なにかをする能力は三分の一くらいしかありません。そのため、走るというより速歩きという感じです。

小学校六年生のとき、運動会に行く前、なぜか妻がとても楽しそうでした。『今日はいつもより楽しそうだね』と言うと、妻は『初めて徒競走でビリじゃない姿が見られるかもしれない』という返事。どういうことなのかと尋ねたところ、次のような話しでした。
同級生の女の子が、運動会の一週間前に捻挫をして、包帯ぐるぐる巻いている状態だったそうです。誰もが徒競走に出ないだろうと思っていたところ、『どうしても走りたい』と言い、困った先生は、最終組で長女と走らせることに。
健常児六人+捻挫した子と長女の合計八人で走ることになりました。捻挫して、包帯を巻いている子と走ることになり、『長女が生まれて初めてビリではない姿を見られるかもしれない』と言い、ニコニコ笑いながら朝、二人で手をつないで出かけて行きました。
夕方、ニコニコして帰ってきたので、『どうだった?』と尋ねると、満面の笑みで、『それがまたビリだったのよね』という答え。
すいぶん楽しそうな顔だったので、経緯を教えてもらいました。
健常児六人が五十メートルくらいのところを走っているとき、長女は十五メートルくらいの場所を走っていた。捻挫をした子は十メートルくらいの地点を走っていたそうです。
長女は、後ろを振り返り、気にしながら前を走っていたところ、捻挫をした子が『キャッ』と言って転んでしまいました。
それを見た長女は『大丈夫?』と言って逆走し、その子を助け上げ、肩を支えながら、一緒にトコトコと走ります。ゴールする、前に捻挫をした子の肩をポンと押し、その子が先にゴールしたと、妻は言いました。
九十メートルくらいのところで、係のお子さんがゴールテープを取り直して張ったそうです。
父兄が二千五百人くらい来ていたそうですが、みんな立ち上がり、九十メートルあたりからは拍手をして応援してくて、感動的な光景だったと。
長女は捻挫した子を助けながら走ったにもかかわらず最後のところで、自分は先に行かず、彼女を先にゴールさせたということです。
妻が『それでまたビリだったのよねぇ。そういう子どもだもんねぇ』と笑顔で言うのを、私は苦笑いして聴いていました。
しかし、その苦笑いしていた顔が、だんだん真顔に。私は、父親から『努力しないやつはバカだ、クズだ』と何十万回と言われ続けて育ちました。
『どうもそうじゃないみたいだ』と思いながら生きてきたものの、長女の生き方が父親から教わったこととはまったく違い、衝撃を受けました。私にとって人生観を根底から覆すような出来事だった。

そのため、一週間考えました。
一週間考えて出た結論は『長女の生き方が正しい』というものでした。
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ただ、私の魂がどちらの生き方を喜んでいるかと考えたときに、長女の生き方が本質だと思い、喜んでいる自分がいることに気がつきました。
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私たちは、小・中・高・大学・大学院、会社、社会、家庭というすべてのところで、『努力しないやつはバカだ、クズだ』『競いあい、比べあい、人より抜きん出ることが立派な人間である』『負けてはいけない』『成功しなければならない』と教えこまれてきました。
しかし、『人間の価値は、それらとは違うところにある』
この新しい価値観を長女が教えてくれたのです。

長女は、いつもニコニコしていて、私が家に帰ると、眠い目をこすりながら『お帰り』と言って玄関先で迎えてくれます。いつもニコニコしていて、楽しそうに、幸せそいうに暮らしています。

『努力しないやつはバカだ、クズだ』という価値観とはまったく違い、
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ただそこにいるだけで、まわりの人に幸せを感じさせてくれる存在です。
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この子が笑顔でニコニコしているだけで、まわりをとても温かくし、和やかな空気にします。

小学校を卒業するとき、校長先生が次のようなコメントを書いてくれました。
『笑顔とありがとうという言葉は、学校の中で最高のものでした。これほど笑顔とありがとうの言葉が似合う子どもはいなかった』と。

私は父親から『がんばらないヤツはバカだ、クズだ』と何十万回と言われて育ってきました。長女が生まれてこなければ、ずっとその価値観で過ごしていたでしょう。
しかし、わが家に知的障害児の子どもが生まれてくれたおかげで、人間の価値は、努力すること、がんばることではないと教えられました。

長女は、ニッコリ笑っていてくれているだけで、まわりをとても温かくし、光を発しています。
ここに人間の価値があると教えに来てくれたのです。

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書籍『脱力のすすめ』
小林正観(著)
からの引用記録文章・アフォリズム、備忘録です。
著書の小林正観さんは、2011年10月12日に他界されています。

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